中臣鎌足

玉櫛笥(たまくしげ) みもろの山のさなかづら
  さ寝ずには遂にありかつましじ
       
                 万葉集第2巻 93番




原文
 内大臣藤原卿鏡女王報贈歌一首

玉匣 将見圓山乃 狭名葛
佐不寐者遂尓 有勝麻之自
  
現訳
みもろ山のさねかづらのように
(あなたと)寝ないで過ごしてはとても生きてはいけません







・補足・

正しくはかまえの中は申
玉櫛笥
この歌では枕詞 みもろ山にかかる
何と言われても自分はあなたを愛しているという意志を表した歌
忠誠を果たして仕えている様にみせながら上手く取りいり悪く言えば手玉にとる
それを悪と思わせない様に心を掴む人柄が垣間見られる歌の様に思える
返歌 万葉集第2 93番




 表紙   万葉集   中臣鎌足(藤原鎌足)