鏡女王

玉櫛笥(たまくしげ)覆ふをやすみ明けていなば
  君が名はあれど我が名し惜しも
       
                 万葉集第2巻 93番




原文
 
玉匳覆乎安美
関而行者
君名者潅
吾名之惜裳
  
現訳
隠すのはたやすいと夜明けてから帰ったら
あなたはともかく私の誇りが傷付きます







・補足・

正しくはかまえの中は申

正しくはへんは虫に口 
玉櫛笥
化粧道具などを入れておく箱
覆ふをやすみ
隠すのはたやすくない
上臣の中大兄皇子に言われて女の世話までするなんて情けない男だとこけ下ろし、反発している歌
 
返歌 万葉集第2 94番




 表紙   万葉集   鏡女王