中大兄皇子

妹(いも)があたり継ぎても見むに大和なる
  大島の嶺(ね)に家居(を)らましを

       
                 万葉集第2巻 91番




原文
鏡女王賜御歌一首
妹之家毛繼而 見麻思乎 山跡有
大嶋嶺尓 家母有猿尾
 
現訳
あなたの家だけでもいつまでも見ていられたらよいのに
大和の国の大島の嶺にあなたの家でもあればよいのに







・補足・

正しくは犬へんに援の右側
猿はもと俗字
妻だった鏡女王へ送った歌
この時には鏡女王は中大兄皇子の元から中臣鎌足の元へ嫁ぐ事が決まっていて
その言い訳の様に送られている。
(鏡女王は額田王の姉でこのころ額田王に思いを馳せていたと思われる)
※この時代は一夫多妻制で姉妹で1人の男性の元へ嫁ぐ事は珍しい事ではない。
実際に蘇我倉山田石川麻呂の娘遠智娘と姪娘は中大兄皇子の妻で同母姉妹
 
鏡女王の返歌 万葉集第2 92番




 表紙   歌集   中大兄皇子(天智天皇)