読人不知

打麻を 麻績王 白水郎なれや 
  伊良虞の島の 珠藻刈ります
       
                 万葉集第1巻 23番




原文
 麻績王流於伊勢国伊良虞島之時人哀傷作歌

打麻乎 麻績王 白水郎有哉 
射等籠荷四間乃 珠藻苅麻須
 
現訳
麻績王は漁師であられるのか
 いいえ、漁師でもないのに伊良虞の島のよい藻を刈っておられる







・補足・

麻績王(おみのおおきみ)

部曲廃止の詔の折り天武朝の皇族であり三位の位であったが抵抗勢力を持つものと考えられ流罪となる。
時同じくして2人の息子も流罪となった。

伊良虞(いらご)

現在の位置とすれば伊良虞岬(渥美郡渥美町)に歌碑があるのでこの辺りではないかと思われます。
この時代では都人からすると此処の土地は離れていて島流しの土地になっていました。
麻績王が伊良湖に流された時、人々が哀れんで作った歌で人々が天智天皇に反感をもっていたとも考えられる。
 
麻績王が聞き答えた歌 万葉集第1 24番




 表紙   万葉集