額田王

秋の野の
み草刈(か)り葺(ふ)き 宿(やど)れりし
宇治(うじ)の宮処(みやこ)の 仮廬(かりいほ)し思(おも)ほゆ
       
                 万葉集第1巻 7番




原文
 明日香川原宮御宇天皇代 [天豊財重日足姫天皇]
  額田王歌

金野乃
美草苅葺 屋杼礼里之
兎道乃宮子能 借五百礒所念
 
現訳
秋の野に
生える草を刈り、それで屋根を葺いてお泊りになった
宇治の仮のお宿、あの宮が思い出されます







・補足・
648年(大化4年)
近江比良宮行幸の時の皇極上皇(斉明天皇)御製
この作品に関しては作者未詳となっていて、天皇に代わって歌を詠む歌人だった額田王が皇極(齋明)天皇の代弁として詠んだ歌と思われる
宇治の宮処

宇治は京都府宇治市
宮処は、宮のある土地(天皇家の者が住まう土地)




 表紙   万葉集   額田王