懐風藻 1番 |
原文 |
懐風藻 第1番目の詩 |
待宴
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皇明光日月
帝徳載天地 三才並泰昌 萬國表臣義 |
述懐
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道徳承天訓
塩梅寄真宰 羞無監撫術 安能臨四海 |
現訳 |
天皇の御威光は日や月のごとく照りわたり 天皇の徳は天や地が万物を包み込むように広大で 三才(天・地・人)はみな安定して盛んでおり 天皇にたいしてすべての国が儀礼を表す |
自分の天皇の御心に従って道徳を体し万機を総攬しようと思って 国政をつかさどるには覧相を選んでその翼賛を待つ次第であります しかし恥ずかしいことでありますが 自分は菲才未熟で臣隷を制御し民衆を愛撫するだけの術策を持っていないので いかにして四海を統治すべきかを苦労し臨むところでございます |
・懐風藻・ |
(かいふうそう)天平勝宝三年(七五一)成立 近江(おうみ)朝以後、約八〇年間、六四人の漢詩一二〇編を年代順に集めた、日本現存最古の漢詩集。 一巻。 作者は大友皇子の他に、川島皇子、大津皇子、葛野王(かどのおおきみ)など皇族が名を連ねていて淡海三船(おうみのみふね/大友皇子の孫)の撰といわれながらも撰者未詳 |
・補足・ |
『待宴』と『述懐』が第一番に記載されている。 |
皇明 天皇の御威光(人をおそれさせ、従わせる力や勢い/威光)のこと |
泰昌 泰平安昌のこと |
天訓 天のおしえのこと |
塩梅 国政をつかさどる |
待宴は天智天皇が即位した宴の席で天智天皇を讃えた歌 |
述懐は太政大臣に任命された時に詠った歌と思われる |
表紙 | 万葉集 | 大友皇子 |