不黄刀自

川(かは)の上(へ)の ゆつ岩群(いはむら)に
草生さず常にもがもな常処女にて
万葉集第1巻 22番




原文
 明日香清御原宮天皇代 [天渟中原瀛真人天皇謚曰天武天皇]
  十市皇女参赴於伊勢神宮時見波多横山巌吹<草冠+欠>刀自作歌

河上乃 湯津盤村二 
草武左受 常丹毛冀名 常處女煮手
 
現訳
川辺の神聖な岩肌に
草が生えない様に永遠に清らかな乙女のようであってください







・補足・
伊勢神宮
壬申の乱の後、伊勢神宮には勝利を感謝して斉宮として天智の娘(第2女児)大伯皇女が参内していた。
伊勢神宮へ阿閇皇女と十市皇女(天武の娘/第1女児)が天皇(天武)の命で御礼参りに赴いた時に十市皇女の采女が詠った。
この時、十市は敗陣(近江朝廷)側の総統(天皇/弘文天皇)の皇后だったが結婚前から高市皇子と想いを通わせていてそれを知っている采女がその恋を願って詠ったものか・・・?




 表紙   万葉集   不黄刀自